眼科へ行き

本日は、朝から眼科へ。

私の眼科通院歴は長い。

近視の度が強いと、硝子体の剥離も早い段階で起こやすいらしい。硝子体剝離の際、網膜からうまく剥離できないと、硝子体が網膜を引っ張ってしまって穴が開き(網膜裂孔)、放っておくと網膜剥離になるわけだ。

近視の強い私は、21歳の時に、網膜裂孔になった。しかし、レーザー凝固で網膜剥離には至らず、結果、28年たった今も、そこ問題ない。

しかし、近視が度が強いと、眼球の形が縦長になり、視神経への圧迫も強くなる。圧迫された結果、視神経の入り口部分の陥没が深くなる。(大きくなる)

28歳の時、NYの眼鏡屋さんにて、

(your optic nerve is really big!)視神経の乳頭部が本当に大きい!

と、言われた。正確に言うと、視神経の入り口の陥凸が大きいということだ。眼鏡屋さん曰く、緑内障かもしれないから、眼科に行くように、とのことだった。

最初の眼科では、「生まれつきよ、問題ないわ」と女医さんに言われたが、別件で再診の際、その女医さんがおらず、また別の女医さんが、この眼科ではなく、緑内障専門病院に行くように、私に薦めた。

その数か月後、

ニューヨークのダウンタウンにある、緑内障の専門病院で検査して、視野欠損はないが、正常眼圧の緑内障であり、治療を開始すべき、ということになった。

あれから21年、

私は、定期的に眼科に通い、目薬も色々なものを使ってきた。また、目薬がどれも効かなくなって、東京にいた頃にレーザー治療もした。

その後、ロンドンでは、再び眼圧が下がらなくなって、眼圧の下げる為の器具(房水の流れを良くする排水溝のような器具)を入れる手術もした。

まずはアイステント。

これは、副作用がほとんどなく、安全な手術であったが、その分、効果は1か月でなくなった。

次にサイパス

これは、もう、私の人生において、忘れられない器具となった。

副作用で視力が落ち、(矯正視力で1.2(裸眼で0.08)くらいあったが、矯正視力が0.05(裸眼が0.003くらいまで)くらいまで落ちたのである。(両目の平均)

さらに、その後、サイパスの副作用で白内障になって両目を手術。(白内障の手術では、水晶体を取り除き、代わりに度入りのレンズを眼内に挿入したが、何せ、サイパスの手術で視力が落ちた上に、視力が安定していなかったので、結果、眼内レンズの度数は、当時使っていたコンタクトと同じ度数にしており、視力は白内障の術後も低いままだった)

さらに、加齢の白内障と違って、後発白内障にもなりやすく、案の上、後発白内障になり、両目をレーザー治療した。

そして、何ともショックだったのは、サイパスのリコールである。

サイパスは、副作用が強い上に、将来的に角膜の内側の細胞を減らし、最悪、角膜移植が必要になることが判明したため、〇〇社はリコールを発表した・・・

というような記事を見つけたのは、仕事でアメリカの薬品会社を調べていた夫である。夫は、記事を持ってきて、私に言った。

「この記事、今度、医者に見せたらいいよ」

私は慌てて担当医にメール連絡をした。

彼曰く、

「サイパスを奥深くに入れたから問題ない。角膜の細胞を傷つけるのは、サイパスが角膜にぶつかっている場合だ。私の手術では、角膜に当たらない位置まで埋め込んでいるから、問題はない。勿論、将来のことは誰にも分からないけれどね」

その後の診察でも、サイパスに関する不安を打ち明けるたび、大体こんな感じの返答が返ってきた。私はもう、あれこれ考えるのが億劫になって、彼を丸ごと信じることにした。(英語だから、余計、億劫になってしまったのだ)

ただ、このサイパスの効果も、結局、一年半くらいで切れてしまい、右目左目ともに目薬を再開することになった時は、ショックと言えばショックだった。散々の副作用に対し、効果は結局なくなったわけだから。

まあ、しかし、こういうことはあるものだ。自ら覚悟を決めて選択し、懸命に真摯にプロセスを生きたところで(取り組んだところで)、その結果がいつも思い通りとは限らない。ただ、懸命で真摯なプロセス(取り組み)は、悪い生き様ではないわけで、別に悔やむこともなかろう。

さて、昨年帰国して、しばらく、東京近郊に住むことになったのだが、幸いと、素晴らしい眼科に出会えた。

サイパスは、日本で認知される前にリコールになった為、日本では知られていないと思っていたが、そこの眼科のお医者さんは、良く知ってらして、副作用にも詳しく、それに合った検査をしてくれた。例えば、角膜の細胞を調べるなど。(私の角膜細胞は、これを切ったら危険という目安の半分くらいしかなかったが、しかし、それは目の手術を多く経験しているからであり、サイパスのせいではなかった)

サイパスの副作用で私の視力は下がった、と記したが、その後、少しばかり回復した。といっても、現在の視力(眼内レンズあり)は、左0.3と、右は0.05くらいである。

手術の副作用で、近視の悪化のみならず、遠視にもなってしまい、そこへ老眼も加わった為、眼鏡やコンタクトをすると、それはそれで視界がおかしい。(手元だけでなく、1メートル先も遠視で見えない感じになり、それでいて、1メートル先には近視のぼやけもあり、とにかく妙な視界なのだ)

結果、眼鏡もコンタクトもせず、0.3と0.05くらいで生活しているわけだ。

不便もある。しかし、片方が0.3あればなんとかなるのも事実だ。あまり、考えないようにしている。

とりあえず、正常眼圧の緑内障発覚から28年。視野欠損が見られないのは幸いである。視野欠損がない以上、まあ、正常眼圧の緑内障というより、正常眼圧の緑内障疑いとも言えるかもしれない。

疑いともいえる状態であるにも関わらず、これだけ眼科にマメに通院してきた私の心配性ぶりを、奇妙とする考え方もあるかもしれない。私自身もたまにそう思う。取り越し苦労で、色々やっちまった?みたいな・・・。

しかし、同じ緑内障疑いでも、点眼スタートを薦めらる場合と、そうでない場合があり、薦められなかった緑内障疑いの方を、私も何人か知っている。

しかし、私の場合は、どの眼科医も、「点眼なしで、しばらく様子見ましょう」とは言わなかったのだ。同じ緑内障疑いであっても、レベルはそれぞれというわけだ。そういう理屈で言うと、通院生活も、決して奇妙ではない。妥当である。

そもそも、

一度欠けた視野は、現在の医学では戻らない。そうなると、まあ、心配/慎重になるものだ。なった方がいい。

視力が下がるのと、視野が欠けるのとでは、全然、不便度が違うだろう。後者はより危険で、本当に本当に大変だと思う。

さて、次の診察は視野検査。何度やっても慣れないが、何度やっても慣れなかった眼球への麻酔注射よりはマシである。

いや待てよ。

視野検査の方が、自分の頭と視力を使う分、疲弊度は、麻酔注射👀より高い。

視野が悪くなっていたらどうしよう?

という、堂々巡りの不安がずっと付きまとう感じで、視野検査への恐怖は粘っこい。

ただ、麻酔の方は、その瞬間の恐怖度が、圧倒的に高い・・・。目に針が迫ってきて、チクッと痛むや、一気に視界の白くなる感覚の恐怖は、瞬間的であるから粘っこくはないが、いかにせん、衝撃的だ。

結論として、眼球麻酔の注射視野検査も、好きではない。

いずれにせよ、目にいい生活は、血糖値、コレステロール、血圧を上げない生活である。血管と、血液に優しい生活が、目にも優しいということだ。生活習慣病にかからないよう心掛けることが、目にもいい。

本日、ドキドキ、ドキドキ、緊張して仕様がない眼科検診を無事に終えて(眼圧も視神経の状態も安定していた)、今一度、食生活を、がっつり見直し、血液サラサラ生活を心がけようと思った。

と言いつつ、意外と(?)GI値の高い(食後の血糖値が上がり易い)蕎麦を食べてしまった。十割蕎麦も蕎麦なのである。炭水化物なのである。

まあ、しかし、炭水化物を否定過ぎたら、プロテインの吸収も悪くなるしいし、あまり気にしないようにしよう。美味しかったなら、それでよし。バランス大事。

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